研究が進み食事と栄養との関係があきらかに

うつ病がストレスと要因として発症する病気だということはすでに広く知られており、ストレスをコントロールする脳の中枢は視床下部にありますが、この領域は食欲をコントロールする中枢でもあるのです。それを考えれば医食同源という言葉を持ち出すまでもなくうつ病などの精神疾患に食生活や栄養が大きく関係するのももっともなことといえます。しかし、病院ではうつ病の症状のひとつとして、食欲の低下や亢進があるかを問診するくらいでそれ以上踏み込んだ栄養学的アプローチは行われておらず、それには2つの理由があるといえるでしょう。

病院でアプローチしない理由とは

うつ病はこころの病気なので食物など物質的な問題ではなく、もっと精神的な問題で起きているはずだという考え方がひとつ根底にあります。しかし、人間は食物を摂取することにより生命を維持して活動しているので、こころの働きや脳の活動も全く無関係ということはなく、食事とうつ病は無関係ではないのです。また、この飽食の時代に栄養不足などあり得ないという考え方がふたつめの理由です。しかし実際は食事の西洋化で伝統的な食事から自然にとれていた栄養素が不足しがちになっています。また、うつ病の患者さんに不足しがちな栄養素というのも研究結果からあきらかになっているのですよ。

海外ではすでに栄養療法がはじまっている

2000年に入ってから、うつ病などの精神疾患の栄養学的側面に注目した研究結果が蓄積されて海外の医療現場でも実践されつつあります。うつ病に関する治療ガイドラインでも薬物療法や精神療法のほかに生活指導の一環として取り入れられており、サプリメントによる補完代替療法の有用性についても記載されるようになっていているのですよ。今後はうつ病においても生活習慣病同様に栄養療法はおこなわれるようになり、薬物療法と並んで重要視される治療法の一つとなるでしょう。

うつ病の治療を行うにあたっては、身近な心療内科や精神科などに通院をして、薬物治療やカウンセリングなどを受けることがコツです。